さて、今回は先日YouTubeにアップされたTeam BJ Sniperのマングース氏(以下マ氏)による目印の作り方動画を参考に目印を作ってみました。
その工程をご紹介しようと思います。
それではどうぞ♪
BLACK STALKERファン必見の動画!!!
いや~、この動画の公開は衝撃的でしたね~。
古参の落とし込み師(目印師)の方にとっての目印レシピって、老舗で何十年も継ぎ足して作った「秘伝のタレ」みたく、その落とし込み師にとっての拘りの象徴であり、そしてそれがアイデンティティでもあると思うんですよね。
それもあってワタクシのような初級者にとっては奥が深すぎて難しそうなイメージが有り、敷居が高く感じてしまうのがその「目印仕掛け」でもあります。
ワタクシはこれまでかつてマ氏から断片的に教わった内容を参考に自作したものを使用してきましたが、チチワの処理や浮力材の詳細までは当時マ氏に何度尋ねても絶対に教えて頂けませんでした。
それが今回の動画で仕掛け糸の銘柄から使用する浮力材までマ氏自身によって詳らかに公開された訳ですから。
最初は何事か!?と思ったワケです(;´д`)
『1)「落し込み、前打ち、へチ釣り」の地位向上、人気の再燃、後進への伝統継承・育成活動。』
ワタクシはこの動画から上記目的の「後進への伝統継承・育成活動」に対するマ氏の気概みたいなものを感じたのですが、
目印竿を売ろうと思ったら、目印が簡単に手に入らなあかんからな~
どうやら新しく発売されるBJスナイパーの竿を拡販したかっただけのようです(;´д`)
この動画ではノイズが入っていて聞き取り辛い部分があり、細かな作業のため映像では細部まで見えないと思いますので以下に画像付きで紹介していきます!
準備するもの
左上から
●ヤマワ 落とし込みスプール
●チチワ補強用PEライン
●25cmピッチ作成用段ボール(12.5cmカット)
●ピッチマーキング用油性マジック
●パイプカット用カッター
●定規
●PEラインカット用ハサミ
●チチワニードル
●ダイワ 速攻8の字むすびM (※今回は使用せず)
●パイプ収納用ケース
●MCJ パイプカットジグ(目印@一筋氏作)
●浮力材カット用ニッパー
●カッティングマット
●仕掛け糸
●浮力材
●ヤマワ ビビッド蛍光パイプ
●瞬間接着剤
●丸キリ(接着剤塗布用。ダイソーにて購入)
レシピ
- 仕掛け糸:サンライン パワード 1.75号
- 目印素材:ヤマワ ビビッド蛍光パイプ
- 浮力材:東レ ナイロン 銀鱗 20号
- ピッチ:8mm幅 ×9個(オレンジ6、黄色3) 25cmピッチ
- 全長:2.0m
シモリ玉の有無
今回の目印ではシモリ玉を使用しません。
シモリ玉なし:冬季などのタナが深い時や強い二枚潮の時
シモリ玉あり:盛期などのタナが浅い時や風が強く目印がさばきにくい時
という考え方で必要に応じて付けるべきものとのことです。
仕掛け糸の号数
仕掛け糸=パワードの号数についてはこのように述べられております。
この手の目印は仕掛け糸で浮力調整をします。
通常(基準)は1.75号
雨が降って水潮の場合は2号
潮が速いや強い二枚潮の場合は1.5号
と私の場合は3種類の仕掛け糸を海の状況によって使い分けています。
どうやらシモリ玉有無+仕掛け糸の太さ3種で最低6種の目印が必要になりそうです(;´д`)
仕掛け糸には張りがあるナイロンハリスが適していて
こちらの商品もオススメとのことです♪
浮力材
パイプにナイロンを入れる目印はよくマイナス目印と言われてますが、私は微妙に浮力があるサスペンドする目印だと考えています。
と述べられ、さらに
強烈2枚潮で上潮の影響を受けたくない時にマイナス目印(沈め目印)を使うのですが、パイプの詰め物に麻糸を使って海水を吸わせて強制的に沈められる目印を作っています。
ということだそうです。
奥が深過ぎますね~(;´д`)
イガイの内オモリで深いオーバーハングで強烈に向きを変える時は 12.5・12.5・12.5・12.5・25・25・25・25・25・25ピッチ の目印を作りますよ~
こんなレシピもあるとのことなので、色々と試してみるのも楽しそうですね!
目印の作り方
それでは作業に取り掛かります。
パイプの準備
ヤマワのビビッドプラッシュパイプを8mm幅でカットします。
この作業にはパイプカットジグことMCJがあると便利。
使用法はこちらの記事に詳しく書きましたのでご確認下さい。
このジグが無くても定規とカッターマットを使ってカットすることが出来ますが、一度このMCJの便利さに慣れてしまうともう戻れません。
今回は以前カットしたパイプのストックがあったのでこちらを使用します。
PEラインを使って仕掛け糸のハリス側にチチワ結びを作ります。
それではここからがこのマ氏の目印の最大の特徴である仕掛け糸の端にPEラインを結束してチチワ結びを作ります。
目印は道糸やハリスを結束するこのチチワ部分に最も負荷が掛かるので補強をしておいたほうが安心ですよね。
仕掛け糸はスタンダードサイズの1.75号を使用します。
4年前にマ氏の目印を見せてもらった時からずっとこのPEチチワのことが気になっていました。
当時マ氏にやり方を尋ねるも極秘メソッドということで教えて貰えなかったんですよね~。
ですので今回この動画を見て一番感動したのがこの部分でした。
興味の無い人からすればどうってことない作業に見えるかもですが、この記事はこんな「ひと手間加えた感」が響く層に向けて書いてますから♪
まず、PEラインを約20cmほどカットします。
仕掛け糸を取り出し、仕掛け糸1本と二つ折りにしたPEラインを左手親指で挟んで保持します。
この作業のポイントは仕掛け糸は二つ折りにしない、という点です。
チチワ部は仕掛け糸ではなくPEラインとなります。
折って2重にしたPEラインとそのままんまの仕掛け糸を8の字で結びます。8の字で結ぶときはラインが3本です。
ここからはチチワニードルを使って径が15ミリになるようにチチワ結びを作ります。
正直、この動画を見るまではチチワ結び部の輪の径まで気にしたことはありませんでした。
まさかこんな所にまで拘って作っているだなんて驚きでした。
使い方はこちらをご確認下さい。
このチチワニードルを使用すると同じ大きさ(今回は15mm)のチチワを作ることが出来ます。
「2.輪を1回ひねる」
「3.輪の中に糸の先を通す」の状態。
チチワニードルを差し込む余力を残した大きさで作るのがポイント。
締め込みはチチワニードルを使って行うので、ダイワの速攻8の字むすびMが必要なほど小さなチチワを作る必要はありません。
差し込む輪の位置に注意しチチワニードルを通してゆっくりと締め込みます。
締めこみました。
この時点ではあくまでも仮締めで、ここまで締めこんだらチチワニードルを取り外して増し締めをして完成です。
※この締め込みはきっちりと行ってくださいね。実釣時に合わせた瞬間のスッポ抜けをやらかしましたから(;´д`)
このチチワがハリス側となります。
PEの端糸は残した状態で仕掛け糸の端糸を5mmほど残してカットし次の工程に移ります。
段ボールを使って仕掛け糸に25cmピッチのマーキングを行います。
まず、先ほど作ったPEチチワに8mmの部分にマジックでマーキングします。
こんな感じ。
このマーキングの位置はパイプの長さ=8mmです。このマーキングが25cmピッチの始点となります。
チチワ結び部分の長さまでピッチの範囲として拘るだなんて、マ氏ってどんだけ几帳面なんでしょう(;´д`)
それでは12.5cmにカットした段ボールに仕掛け糸を巻きつけていきます。
この段ボールにも拘りがあって特別なものを使用しているのか尋ねたところ、
ダンボールなんてアマゾンの箱使えww
とのことで何でも良いみたいですww
というわけで会社にあったペーパーカッターで本当にamazonの段ボール箱をカットしてみましたwww
先にチチワにマーキングした部分と段ボールの縁を合わせてクリップで挟んで固定します。
5mm幅くらいの間隔で8回巻きつけていきます。
そして仕掛け糸のテンションをしっかりと保ったまま縁に油性マジックでマーキングします。
後にパイプ目印に浮力材を詰める際に使用するのでしっかりとマーキングを行います。
マーキングが出来たらここで仕掛け糸を8個目のマーキングから10~15cm残してカットします。
カットされた端がハリス側となります。
ビビッドパイプを仕掛け糸に通します。
動画の通りオレンジ6個、黄色3個の8mmカットパイプを準備します。
カットされた仕掛け糸にパイプ目印を通して行きます。
道糸側から
橙橙黄橙橙黄橙橙黄
となるように通しました。
上の画像では一番右の黄色のパイプがハリス側のチチワ部となります。
仕掛け糸のハリス側にPEラインでチチワ結びを作ります。
パイプを通したらハリス側に道糸側と同じようにPEラインでチチワ結びを作ります。
8個目のマーキングからチチワ結びの間隔が25cmになるように作るのがポイントです。
まず、15~20cmにカットし二つ折りにしたPEラインに折り目から2.5cmのところに油性マジックでマーキングします。
仕掛け糸の8個目のマーキングと二つ折りPEのマーキング部分を重ねます。
そしてこの部分を右手で持ち、保持したまま8の字結びを作ります。
差し込む輪に注意してチチワニードルを使って締めこみます。
すると結び目に仕掛け糸とPEラインのマーキング部が重なって15mmのチチワ結びが完成しました。
ハリス側のチチワ結びと最後のパイプ間のピッチを揃えるのって難しいですよね。
こうすることで25cmピッチを作ることが可能です。
この作業の時点での全体像はこんな感じです。
チチワーニードルを取り外して増し締めし、仕掛け糸の端糸をカットします。
PEラインの端糸2本をパイプに通して結び目に被せます。
キリの先に瞬間接着剤をほんの僅かに塗布し
パイプの中に差し込みます。
これで結び目とパイプが固定されました。
道糸側のチチワにも同じようにパイプを被せて固定します。
パイプに浮力材を詰めて瞬間接着剤で固定します。
いよいよ作業も大詰めです。
浮力材のナイロンライン、銀鱗20号をパイプに詰めて行きます。
20号の太さなのでスプールから一旦取り外すと物凄い勢いでスプールから弾けるので、ゴムバンドで押さえておくと便利。
動画でマ氏も輪ゴムで固定されてますよね!
まず、仕掛け糸のマーキングを頼りにパイプを手繰り寄せます。
この時点では大雑把でOKです。
最終的にこのマーキングとパイプの道糸側の端を合わせて固定します。
パイプのハリス側からナイロン20号を差し込みます。
パイプの道糸側に少しはみ出すようにするのがポイントです。
道糸側にはみ出させたナイロン20号にキリの先に付けた瞬間接着剤を塗布します。
そしてパイプをスライドして接着剤に重ねます。
すぐに固定されるので、ハリス側と道糸側にはみ出したナイロン20号をニッパーでカットします。
仕掛け糸を切ってしまわないように注意。
この作業には切断面がツライチ(フラット)になるKTCのバンドホールドニッパーPNC-125が超オススメ!
このニッパーがあれば結束バンドの切断も捗りますよ♪
アロンは重いのでつけ過ぎにご注意を!
この作業では接着剤の重みで目印を沈めてしまわないように極力少量を塗布するのがポイント。
目印を沈めたい、いわゆるマイナス目印にしたい場合は接着剤を多めに塗布すると良いでしょう。
この作業をあと6回繰り返します。
浮力材を詰め終えたら仕掛け巻きに巻いて完成です。
まとめ
マ氏ご本人に確認しながら作ったので、ほぼほぼこの作り方でマ氏の動画と同じ仕様の目印が作成可能かと思います。
早速、目印オーバーハングの聖地、大阪南港のセル石で使ってみましたがサスペンド目印らしく水面直下をスイっスイっと入っていくリズミカルな動きを見せてくれました。
※マ氏にも綺麗に出来てるって褒めて頂きましたよ♪
これから目印で釣ってみたい!でも難しそう…。という初心者の方向けに参考になれば幸いです。
道具さえ揃っていれば1本10分程で作成可能ですので、目印作成が未経験の方も是非ともチャレンジしてみて下さいね!
ヘチ釣りには無い視覚でアタリを楽しむ目印の落とし込み釣り。
やってみればその楽しさの虜になること間違いなし!
ワタクシも今年のイガイシーズンにはこの目印でドリドリしまくる予定です♪
※2021/8/16追記
こちらで作成した目印を使ってムコイチで10枚釣る動画です。
スライダー釣法で探ってます。よろしければご覧くださいませ♪