さて、今回は落とし込み釣りを始めるに当たって落とし込み竿の選び方について書いてみます。
前回の記事で、落とし込み釣り(総称)には「目印」「ヘチ釣り」「前打ち」の大きく3つのタイプがあると述べました。どの釣り方を選択するかによって適した竿が異なってきますので、タックルを揃えて行くにあたって、最初に自分がしたい釣り方を明確にしておいて下さいね。
落とし込み専用竿とは
まず落とし込み釣りに必要不可欠なのが3つのタイプの釣り方に応じた専用の竿です。
とりあえず試しにやってみたい、という場合は手持ちの竿で代用してみるのも良いかもしれません。ワタクシの地元では磯竿で目印、シーバスやメバル用のルアーロッドでヘチ釣りをされて釣果をあげられている方もいらっしゃるので、やってやれないことは無いと思います。
当ブログの読者の方なら、ある程度真剣に落とし込み釣りをやってみようと思っている方が多いと思うので、その場合は最初から専用の竿を購入されたほうがこの釣りをストレスなく楽しむことができるはずです。
この釣りは際を探る釣りで、タイトに攻めようとするとどうしても壁にぶつけたり擦ったりするので他の釣りに比べて竿を傷付けやすいので困ったものです。
したがって、慣れないうちから高い竿を買ってしまうと、すぐに傷つけショックを受けてしまうと思うので、最初は中古や安い竿を購入して慣れてからステップアップしていくと良いのではないでしょうか。
以下に3つのタイプごとに竿を選ぶポイントについて紹介します。
目印
長さ
大阪湾では長さ3.5~4.0m前後の竿が使いやすいとされていて、ワタクシが現在メインで使用しているダイワのタフ・フォーティことT-40UMという竿も3.5⇔4.0mの長さが可変式のものです。たしかに取り回しもよくて使いやすいです。
竿の長さは足場の高さに応じて決めるのがセオリーだと言われておりますが、目印用の落とし込み竿においてはもう1点考慮する必要があります。
それは、使用する目印の長さです。
Uガイドの落とし込み竿の穂先はこのようにとても細くなっていて、ガイドも糸の太さプラスアルファくらいの径しかありません。
これによって糸ふけが少なくなりアタリが取りやすくなるのですが、径の小ささが故、目印部分を巻き込むことができません。
ということは、目印+ハリス分の長さの仕掛けは常にトップガイドから出した状態で釣りをすることになります。
大阪湾ですと目印の長さはだいたい2~3mくらいとされている方が多いようです。
この釣りは落とし歩いて行く釣りなので、目印+ハリスの長さが竿より長いと移動の際に煩わしいのは勿論のこと、魚を掛けてから取込む際に目印より先の部分を巻き込むことが出来ないので、タモ入れしづらいという状況に陥ります。
最初は不慣れなので、他の釣りのクセで勢いよくリールを巻いてしまい目印を巻き込んで穂先を折ってしまう、なんてことも偶に聞く話なので注意が必要です。
あまり竿が短すぎると目印を長くすることが出来ないし、長すぎると目印を捌く際に取り回しづらい。それらを考慮すると3.5~4.0m前後の竿が使いやすい、ということになるのでしょうか。
調子・硬さについて
これは好みで選ばれると良いかと思います。
細仕掛けを使って釣り味を楽しみたい方は柔らかい胴調子タイプを、太めの仕掛けを使って竿のパワーで主導権を握って強引に浮かせる釣りをしたい方は硬い先調子タイプを選ばれると良いかと思います。
以前はシャキとした硬い竿が好みでしたが、最近は胴調子の竿がお気に入りです。
関西では軟調竿というとても柔らかい竿に極細仕掛けという独特のタックルで釣りをされている方もおられ、それぞれ様々な楽しみ方をされているようです。
ガイド
Uガイドが基本となります。テレガイドの竿もありますが種類は少ないようです。
Uガイドはその小さな見た目の通り、糸の出が悪く、糸を出そうと思うと手で引っ張って出すことになります。
「目印」の釣り方は、基本的に必要な長さ=狙う棚の長さだけの道糸を先に出しておいて、竿を立てた状態で水面にエサを投入し、エサの落下に合わせて穂先を徐々に下げながら探って行きます。目印を沈めきったところで1回のストロークは終わりで、リールは巻かずに竿を立てて仕掛けを回収して次の投入点に移動して再度落として行きます。
※あくまでも基本的な落とし方で落とし方はこの限りではありません。
エサやガン玉の重みで道糸をスルスルと出しながら落として行く釣り方は、後述する「ヘチ釣り」と呼ばれる釣り方になります。
初心者の方はこの違いが分からないと思うので混乱の原因になるかと思います。しっかり押さえておいて下さいね。
あと、ワタクシの失敗談なのですが、最初の釣行でUガイドに道糸を通したまま竿を縮めようとしてUガイドを折ってしまいました。縮めた時に全てのガイドが竿の外に出るテレガイド竿とは勝手が異なるので注意が必要です。
ズーム機能は必要?
ワタクシはシーバス釣りからこの釣りに転向してきたのですが、最初に落とし込み竿を持った時に驚いたのが竿の長さを調節できる「ズーム機能」でした。
潮位の差によって伸ばしたり縮めたりして使い分けるのに便利とのことですが、面倒なので今でもほとんど伸ばした状態の4mのままで使用しております。満潮時には長いかな?と思うこともありますが、それも慣れの問題で解決します。
上級者の方はズーム機能を巧みに使いこなされているようですが、ワタクシのレベルですとオマケ程度の存在でしかなく、「ズーム機能が付いている安心感」のためにあるような状態です。
初心者の方はとくにこの機能に拘る必要はないように思います。
入門者にオススメのコスパ最強の目印竿はコレ!
ワタクシが今注目している竿がこちら。プロマリンCB 海将落とし込み黒鯛 390です。
ワタクシのTwitter仲間の方たちも多数愛用されていて、皆さんこの竿で何枚もの黒鯛を釣り上げておられます。
価格も安くとてもコストパフォーマンスの高い竿で最初の1本として入門者の方にオススメです。
2mくらいの短めの目印を使用するなら360でも良さげですね♪
野々宮愛用の目印竿はコレ!
タフ・フォーティことダイワのT-40UMです♪
4mの長さが取り回しやすく、パワーがあるのでオーバーハング下を攻めるスライダー釣法にも最適です。
ヘチ釣り
長さ
通常2.4~3.0mくらいの長さの竿がよく使用されているようです。
ちなみにワタクシが持っているヘチ竿はほとんど3mです。
ヘチ竿は目印竿と同じく釣り場の高さに応じて竿の長さを選ぶのがセオリーだとされております。
これまで武庫川一文字や関電の外海側等の高いポイントから、北港サンバシのような水面まで低いポイントで使用しまてきましたが、すべて3mの竿でも使いにくいと感じることはありませんでした。
大は小を兼ねるの考えで3mを選びましたが、今となってはこれで良かったのかなと思います。入門者の方は迷ったら3mを選んでおいて、使い込んでいくうちに自分の好みに応じて買い足して行けばよろしいのではないでしょうか。
調子・硬さについて
こちらも目印竿と同じく好みで選ばれると良いかと思います。
ワタクシがへちさぐり銀治郎シリーズで最もパワーのあるHタイプを購入したのは、もともと硬い竿が好きだったこともありますが、北港スリットで使用することが前提でした。スリットに潜ろうとする良型黒鯛を竿の力で強引にねじ伏せたかったからです。
ギター(つД`)ノ
コブダイ(;´Д`A pic.twitter.com/8QM93iDEEs— ローレル@今の所ヘチ釣り多め前打ち少々 (@piryofu) June 8, 2016
ワタクシと同じく銀治郎使いの釣り仲間ローレル氏はMH300を使用してスリットで良型のコブ鯛を釣られているので、釣り味を楽しむならMHタイプでも良かったのかもしれません。
ガイド
ヘチ竿はこのようなとても小さなガイドが沢山ついていて、価格帯に応じてPEラインに対応したSICガイドが使用されております。
ナイロンラインをメインに使用するのであればSICガイドは必要ないので使用する道糸と予算に合わせて選ばれると良いかと思います。
道糸の放出性が悪い竿に注意!
ヘチ釣りは、リールを回転させて道糸を小まめに出し入れしながら探って行きます。
時には仕掛けの重みだけでリールを回転させて落としていくことも。
ところが竿によっては海水で濡れた道糸が竿に張り付い道糸が放出できなくなり、思うように仕掛けがコントロール出来ない状態になってしまいます。
ワタクシが過去に購入したヘチ竿、攻堤ヘチ270。
安さに釣られてAmazonで購入しましたが道糸の張り付きが酷くちょっと使用してすぐに手放してしまいました。どうやらガイドの高さが低く、道糸と竿の間が狭いことが原因だったようです。
道糸を出し入れして探るにはこの竿は使いにくいと感じるかもしれないのでご注意ください。
入門者にオススメのヘチ竿はコレ!
2018年9月、ダイワより発売されたブラックジャックスナイパーヘチM-300MK・Vがオススメです。
実売価格3万円を切るコスパの良さ、新ブランク『HVFナノプラス』採用でストロング・フィネスどちらのファイトスタイルにも対応する柔軟性が入門者向けに最適です。
先調子で掛け合わせて行くスタイルが好みの方には「9:1超先調子」のXH-270MKはいかがでしょう?
それでも高過ぎるという方は、とりあえず試しにやってみるならアジングやメバリング用のルアーロッドで代用してみるのも良いかもしれません。実際、ワタクシの地元ではメバリングロッドにタイコリールを付けて釣果を上げている方もおられますから。
野々宮愛用のヘチ竿はコレ!
ヘチスペことシマノのリンユウサイヘチスペシャルS280です!
グリップ部からブチ曲げてするファイトはスリル満点です♪
前打ち
長さ
大阪湾のテトラポットでの釣りを前提とすると5m前後の長さが使いやすそうです。
ワタクシがメインで愛用するリンユウサイ前打ちスペシャルHHF-53は5.3mです。テトラの際に潜む黒鯛に気配を悟られないようにアプローチするためには、5m以上の長さの竿が必要になってくると思います。
根魚の穴釣りのようにテトラポットの隙間の穴に仕掛けを投入して釣るのがメインの使用法なら、落とし込み用の4.0~4.5mくらいの長さのものでも対応できます。
こちらの画像では4.2mの竿で際穴を探っています。
ワタクシが最初に購入した竿はヤフオクで入手した6.3mのものでした。大は小を兼ねるの考えで購入したのですが、持ち重りがひどく釣りになりませんでした。また、ワタクシがよく釣りをするポイントのテトラの大きさに対しても6.3mの長さは必要ありませんでした。
安い値段に釣られて衝動買いしてしまいましたが、今ではお蔵入りになっております。
長くなる=重くなるので、釣りをしようと思っているポイントのテトラポットの大きさを考慮して検討されるとよろしいかと思います。大阪湾ですと5.3mでほぼ事足りるはずです。
最近になって6.3mの長さが有効だと思える場面に遭遇するようになりました。
真冬のシャローテトラのように少しでも水面に影を落とすと魚が逃げて行くようなシビアなポイントを攻める際に魚から距離を取って探ることが出来るからです。
気になる重たさも竿を両手で保持するようにすれば軽減することができます。
ムダに長い竿を使う必要はありませんが、長い竿を思いっきりブチ曲げて溜めて釣るのも趣があって楽しいものです♪
調子・硬さについて
テトラに潜られないように強引なやり取りが求められるので、パワーのある硬調タイプが良いと思います。上級者の方は軟調の細仕掛けでも釣られるようですが、初心者の方には難しいと思います。
ガイド
ワタクシの前打ちスペシャルはUROKODO氏によって穂先以外のガイドをテレガイドに換装して頂いております。
テレガイドには竿を縮めた状態で仕掛けを準備することが可能で、またヘチ釣りのように細かく道糸を出し入れするテトラの際穴釣りにおいて道糸の放出性が良いというメリットがあります。
しかし、市販されている前打ち竿は目印竿と同じUガイドのものが大半なので、テレガイドの竿が欲しいと思っても選択肢は非常に狭くなってしまいます。
ズーム機能は必要?
前打ち竿についてはズーム機能があった方が便利です。
テトラの際を狙う際は短くできた方が操作しやすいということもありますが、エサの付け替えの際に竿が短くなると作業が捗るという点が大きいです。
入門者にオススメの前打ち竿はコレ!
一度、前のモデルT-53UMをTwitter仲間の蚊蛾っちさんに振らせて頂きましたが、とても軽くてUガイドも大きめなので糸抜けが良くて道糸の出し入れがスムーズでした。
冬場の青コガネを使った食い込み重視の釣りに最適なメガトップ搭載で実売2万円を切るコスパの良さ。
まさに最初の1本に打ってつけの竿だと思います♪
現在進行形で野々宮がこよなく愛する前打ち竿はコレ!
シマノ大好きシマラーのワタクシが使うのはもちろんリンユウサイ前打ちスペシャルHHF-53!
感度も曲がりも最高です♪
まとめ
以上、長くなりましたが竿選びの際の参考になれば幸いです。