さて、今回はシーバスルアーマンだったワタクシが、黒鯛の落とし込み釣りに転向したきっかけについて書いてみようと思います。
すべては南芦屋浜ベランダのサヨリ釣りから始まった
今から10年ほど前の秋、妻と一緒になんとなく釣りをしてみようということになり、フィッシグマックス芦屋店で初心者向けのサヨリ釣りセットと餌を購入して南芦屋浜ベランダに向かいました。
それまで釣りの経験は子供のころに父親としたサビキ釣りくらいしかなかったので、糸の結び方も分からない状態です。
釣り場に着き、マックスでもらった「糸の結び方」の書かれたパンフレットを妻と一緒に見ながらなんとかサヨリの仕掛けをセットしました。
周りの人の見よう見まねで仕掛けを投入したところ、なんと1投目から良型のサヨリがヒット!その後もずっと釣れ続き、午前中から夕方まで釣りをして、最終的に150匹近くのサヨリを釣りました。
これですっかり釣りの魅力に取り憑かれた我々夫婦。それ以来、毎週末のように芦屋ベランダに通い始めます。
阪神間ルアーマンの登竜門、ワインド釣法によるタチウオ釣り
10月のある日の夕方、南芦屋浜ベランダでその日のサヨリ釣りを終え片づけて帰る準備をしていたところ、
「この場所で釣りしても良いですか?」
とルアー竿を持った釣り人に声を掛けられます。
この南芦屋浜ベランダは利便性もよく、とても人気のある釣り場なのでいつも混雑しています。その日も入る余地のないくらい多くの釣り人で賑わっておりました。
我々は帰ろうとしていたので、その釣り人に場所を譲ったところすぐさまルアーを投げ始めました。ルアーを投げて竿をヒュンヒュンとシャクる釣り方は、当時じわじわと浸透し始めていたワインド釣法でした。
その数投後、竿が曲がります!上がってきたのは、銀色に輝く大きなタチウオでした。
始めて見る生きたタチウオに興奮したことを今でも鮮明に覚えております。こんな普通の護岸からタチウオが釣れるなんて想像だにしませんでした。
その後もその釣り人は何度も竿を曲げられ、わずか30分ほどで5本のタチウオを釣り上げられました。
それを目の当たりにした我々が、タチウオのルアー釣りを始めるのは当然の流れでして、すぐにネットでワインドタックル一式を揃えました。
その頃、サヨリ釣りから始めた釣り自体もまだ1ヶ月くらいしかたっておらず、道糸のPEラインとショックリーダーの結束に難儀したことをよく覚えております。何度もすっぽ抜けをしてルアーを失いました。
後日、芦屋ベランダで見よう見まねでワインド釣法を試してみたところ、初めてのタチウオ狙いの釣行で4本のタチウオを釣ることができました。
これがきっかけでルアーフィッシングに目覚め、以後、妻を差し置いてワタクシ一人でルアーフィッシングの世界にのめり込んで行きます。
阪神間ルアーマンの定番コース、タチウオ→シーバス
初めてタチウオを釣ったのが10月の終わりくらいで、その年の年末くらいまでワインド釣法によるタチウオ釣りに没頭します。
年末が近づくにつれてタチウオが釣れなくなり、年を越した1月にはいよいよ全く釣れなくなってしまいました。
そのころ、依存症といっても過言ではないくらいルアーフィッシング熱中していたワタクシは、タチウオの次の対象魚としてシーバスに目を付けます。
阪神間、特に西宮界隈ではルアーフィッシングといえばシーバス、というくらいシーバス釣りが盛んな地域でした。ワタクシも例外ではなくタチウオ釣りの後、シーバス釣りの世界にハマって行きます。
シーバス釣りをしている人に聞くと、タチウオでルアーフィッシングに興味を持ち、その流れでシーバス釣りをするっていう人、結構多かったです。
ちなみに、最初にシーバスを釣ったのは2月の阪神武庫川駅下の武庫川堰堤で、ルアーはレッドヘッドのヨレヨレでした。
その後は西宮を中心に神戸や大阪方面にも足を伸ばしてシーバスを追いかけました。
ルアー収集が楽しくて仕方が無かった
それと同時に加速したのがルアーの収集です。
時間を見つけては釣具店に行き、ルアーコーナーをチェックしました。特にフィッシングマックスでは、アイマやラッキークラフトなど有名メーカーのルアーでも棚下のカゴに処分特価で並ぶことがあり、それを見つけて買い溜めするのが楽しみでした。
店舗によって安く販売されるルアーが異なっていたので、1日に何店舗もハシゴすることもありました。
ワタクシはバイブレーションが好きで、中でもバリッドというルアーが大好きだったのですが、安くなった時には必ず購入していたので、パッケージのままストックしたルアーの量がたいへんなことになり、妻に怒られてしまうこともしばしばありました。
シーバスブーム全盛期の2010年
それからのワタクシは春夏冬はシーバス、秋はタチウオをメインにシーバスと1年を通してルアーフィッシングを楽しんでおりました。
その後2010年の9月には、シーバスのデイゲームにおいて革命を起こしたルアー、コアマンのアイアンプレートIP-26が発売され、神戸港を中心に大阪湾ではシーバスルアーフィッシングの大ブームが巻き起こります。
この頃はシーバスをテーマにしたブログをされている方が多数おられ、そのブログを見てはポイントをあれこれ推測して釣行するのが楽しみでした。また、実際にブログをされている方とも釣り場でお会いするなど、ワタクシがブログの世界に興味を持ち始めたのもこの頃でした。
猫も杓子もシーバスルアーを投げていた当時、中でも印象的だったのが2011年の1月頃の神戸の都賀川河口でのイワシ祭りでした。
その年は大量のカタクチイワシが都賀川河口付近に滞留し続け、それに付いたシーバスが連日爆釣しておりました。
都賀川河口から摩耶埠頭にかけて、ルアーマンが約1メートル間隔でびっしりと並ぶ様は壮観でした。そのルアーマンのほとんどがコアマンのIP-26を投げており、その中でワタクシも一緒になってIPを投げておりました。
当時はIP-26が店に並ぶとすぐに売り切れるくらい人気で、実際にワタクシもこのルアーで魚をたくさん釣りましたし、本当に良く釣れるルアーでした。
そしてこの頃から、それまで5年ほど夢中で続けたシーバス釣りへの情熱が冷めていきます。
タックルやルアーを一通り揃え、季節によってよく釣れる場所も分かってきたので、その場所に行って過去によく釣れたルアーを投げると比較的簡単に釣ることができました。
それもあり、単純にシーバス釣りに飽きていたこともありますが、シーバス界の商業主義的なところに嫌気が差していたことも手伝って、次第に釣行の回数が減っていきます。
目の前で爆釣する落とし込み黒鯛師の衝撃
それでも釣れると楽しかったので、ほとんど惰性でシーバス釣りを続けていた2013年の6月、梅雨の合間の雨が止んだ日のことでした。
現在ワタクシがホームとして通い続けている釣り場でIPを適当に投げていたところ、颯爽と現れた落とし込み師がワタクシのそばですぐに黒鯛を釣り上げます。
リリースしては釣り、リリースしては釣り、絶え間なく竿を曲げている様は衝撃的でした。
今思えば「つゆばく」(梅雨の爆釣の略)の真っ最中だったのでしょうね。
あまりにも釣られていたので、堪らずその落とし込み師に話しかけてみたところ、
「イガイを餌にして際に落とせば簡単に釣れるで」
と嬉しそうに教えてくれました。
それまでにも、ルアーで黒鯛を釣ったことがあり、そのときはシーバスにしか興味が無かったので気にも留めませんでしたが、間近に見る黒鯛の美しさに心を奪われます。
この落とし込み師にタックルのことなど根掘り葉掘り聞き、その日の釣行の後、家に帰ってネットで落とし込み釣りについて調べまくったのは言うまでもありません。
そして、この後すぐに落とし込みタックルをヤフオクでそろえるのですが、最初に買ったリール、ダイワチヌ駒X200がとても使いにくくて最初の釣行で挫けてしまい、その年は結局落とし込み釣りをするには至りませんでした。
その翌年の2014年6月、再び落とし込み釣りを始めようと思いたち、最初の釣行で40あるなしのキビレを釣り現在に至ります。
まとめ
あの日、落とし込み師が爆釣していなかったら、ワタクシは現在もシーバス釣りをしていたかもしれませんね。
落とし込み釣りの魅力に取り憑かれた今、シーバス釣りには全く興味がなくなってしまいました。いつか同じように落とし込み釣りにも興味を失ってしまう日がくるのだろうか?
いや、多分ないでしょうね。
参考記事
