さて、このたび思うところがあって新たに広島の牡蠣を使った伝統釣法「かぶせ釣り」にチャレンジしてみることにしました。
11月中旬から準備を始め、満を持してこの週末に竿を出すことに!
しかも縁あってYouTubeでかぶせ釣り動画を公開されている福山の名手ぶち氏とご一緒させて頂きました!
今回はチャレンジするに至った経緯と準備について書いてみようと思います。
それではどうぞ♪
経緯
牡蠣のかぶせ釣りとは、広島で古くから行われている釣法で砕いた牡蠣を付け餌の牡蠣の上から「かぶせ」るように撒いて釣ることから名付けられた釣法です。
かぶせ釣りに興味を持ったのは、この時の広島市内での釣行の際に釣り場で出会った方にかぶせ釣りのことを聞いたことがきっかけでした。
ちなみに現在は岡山に単身赴任中ですが、ワタクシのTwitterをご覧になっている方はご存知の通り仕事でほぼ毎週広島に泊まりがけで出張しておりまして、今では岡山よりも広島のほうが馴染み深い地域なんですね~。
広島と言えば牡蠣の生産量が日本一で有名ですよね。そしてその豊富な牡蠣を使ってチヌを釣るかぶせ釣りという釣り方が存在することは知っていました。
ですが、かぶせ釣り=筏・カセ釣りというイメージで渡船に乗って釣行する本気の釣り方という認識でして、「安近短」な釣りを好むワタクシの守備範囲外の釣りだと考えていたんですよね。
ところがネットで調べてみると防波堤からかぶせ釣りを楽しむことができることを知ります。
そこで辿り着いたのが今回ご一緒させて頂くことになったぶち氏のYouTube動画でした。
ぶち氏は主に福山周辺のエリアで釣りをされていてご自身のYouTubeチャンネルにて惜しみなくかぶせ釣りのテクニックを公開しておられる方です。
気がつけば貪るようにぶち氏の動画と関連動画をチェックしていました。
興味を持った当初はかぶせ釣りってダンゴ釣りのようにチヌを釣るための釣り方だと思っていたのですが、ぶち氏の動画では同じ仕掛けでコブダイや石鯛も釣っているではありませんか!
細くて短いよく曲がる筏竿を使ってする豪快なファイトはとてもエキサイティングで楽しそう♪
いつも落とし込み釣りではチヌを専門に狙っていますが、ぶち氏動画の影響でかぶせ釣りではコブダイを釣ってみたいなと。
コブダイを狙うかぶせ釣りは冬から春にかけてが盛期のようでして、落とし込み釣りでの釣果が厳しくなるこの時期に出来る他の釣りを模索していたワタクシにドンピシャで嵌ったんですね~♪
それに最近落とし込み釣りが若干マンネリ気味じゃったし(;´д`)
ぶち氏の動画に出会ったのが11月中旬ごろ。
速攻でTwitterのDM経由でぶち氏にアプローチを試みてアドバイスを頂くことに成功!
ここからかぶせ釣りをスタートすべく準備を進めていくのでした♪
かぶせ釣りと落とし込み釣りの共通点
このかぶせ釣り、調べれば調べるほど落とし込み釣り(総称)と似ていて共通点が多いです。
例えば
- 仕掛けが道糸+ハリス+針のみ、ガン玉さえ打たず超シンプル
- 際や前に牡蠣を落して(時には遠投して)釣る
- エサの牡蠣は自分で採取
- 対象魚がチヌをメインにコブダイ、石鯛等
ってな感じ。
これらに牡蠣を撒いて魚を寄せ、撒き餌に付け餌を同調させて釣るフカセ釣りの要素をプラスしたものがかぶせ釣りの印象です。
仕掛けがシンプルなのでタックルは手持ちのものを流用して初期投資費用を抑えることが出来そうです。
タックルと小物
当初、竿は手持ちのヘチ竿のへちさぐり銀治郎H300かリンユウサイヘチスペシャルS280使おうと思っていました。
Twitterでかぶせ釣りを始めたいツイートをしているとフォロワーの変態ヘチ師こと変鯛氏(ってややこしいw)より、ヘチ竿で大き目のコブダイとファイトすると折れてしまうリスクがあるとのアドバイスを頂きました。
さすがに高価なヘチ竿を折ってしまうのはキツイので竿だけは筏竿を調達することにして、リールは道糸4号を巻いたタイコリールを使うことにします。
ぶち氏からはリールはスピニングリールのほうが使い易いと聞いたので、いちおうナイロン3号を巻いたハイパーフォースも準備しておきます。
※後述しますがリールはアドバイス通りスピニングリールのほうが使いやすかったです。
ちなみに竿はメルカリで運良くサクラの別調櫻伊勢6号の新品が安く出品されていたので速攻で入手することができましたよ♪
材質の違いでしょうか?筏竿はヘチ竿に比べてとても安く買えるのでありがたいですね。
タモはさすがにいつもの30cmチタン枠では大きなコブダイを掛けた時に掬うことが出来ないので、シーバス時代に使っていたティアドロップ型のものを引っ張り出してきました。
後は小物類で牡蠣の殻を割るハンマー、牡蠣の採取時に使用する釘抜き、牡蠣を入れておくためのフタ付き樹脂製ペール缶、釣り場を掃除するタワシ等を購入。
これで後はこの釣りの要、餌の牡蠣を採取すれば釣りが出来そうです。
上達するには上手い人に教えて貰うのが近道!
というわけで、ぶち氏に連絡を取って一緒に釣行させて欲しい旨を伝えると快諾頂き、めだたく12月1日の日曜日にコブダイの魚影が濃いしまなみ海道の某島への釣行が決まりました♪
牡蠣の採取。この工程が一番難しいかも!
ぶち氏と釣行する日曜日までになんとか牡蠣を調達しなければなりません。
30日の土曜日が都合よく休みで、この日は朝イチに干潮を迎える潮回り。ここで牡蠣を採取することにして、あわよくばそのまま単独で竿を出してようと思います。
土日の連休は普段なら必ず西宮に帰省するところですが、今回どうしてもかぶせ釣りがしたくて岡山に滞在することにw
落とし込み師と同じくかぶせ釣り師にとって牡蠣が採取出来る餌場は宝とのことで、ネット上でも具体的な情報は得られません。
福山某所周辺のゴロタで採れるというところまでは分かったので、仕事中に干潮のタイミングを狙って何度か偵察してある程度はアタリを付けていました。
かぶせ釣りを始めるに当たって一番の難所はきっとこの牡蠣の採取でしょうね。
潮が高くてもイガイ取り器を使えば採取可能な落とし込み釣りのイガイや冷凍保存が可能なフジツボとは違って採取出来るタイミングが潮位が低い時間帯に限られる、という点が難易度を高めています。
釣行するタイミングによっては事前に牡蠣を採っておく必要があり、干潮時刻付近にいつも採取しに行けるわけではありませんから。
ワタクシは落とし込み釣りでエサの調達は慣れているので問題ありませんが、釣り初心者が白紙の状態から餌場を探して採取するのは難しいでしょうね。
※釣り資金が潤沢な御仁は牡蠣は購入されると良いと思いますw
というわけで土曜日の朝、早起きして福山某所のゴロタに向かいました。
偵察時にチェックした通りテトラポットと岩にびっしりと牡蠣が付いています♪
バールのようなものを使ってテコの原理で牡蠣を剥がします。
殻を割ってみると美味しそうな身が!
魚のエサにするには勿体無いレベルですよね(;´д`)
1時間半ほどかけて18Lのペール缶に一杯の牡蠣と
壁に美味しそうなフジツボが沢山ついていたので
一応冷凍保存用に採取しておきました♪
満タンに牡蠣が入ったペール缶はズッシリと重たかったです(;´д`)
ちなみにペール缶はAmazonでこれをポチりました♪
蓋は別売なので注意が必要です。
この蓋はかなりしっかりとしているので椅子として座ることができますよ♪
某所
事前に調査していたぶち氏の動画で見たポイントにやって来ました。
天気が良くて景色も綺麗で気持ちがいいです。
ワタクシとちょうど同じタイミングでフカセ師の方が隣に入ってこられました。
ちなみにワタクシの釣り座はこんな感じになりました。意外とコンパクトに纏まってるでしょ♪
車から一往復で荷物を運ぶことが出来れば御の字ですよね。
それでは隣のフカセ師に素人と悟られないように仕掛けを準備して行きますw
竿に道糸を通してハリスをトリプルエイトノットで結束して針を内掛け結びで結ぶだけで仕掛けは完成です。これは前打ちの時と同じ要領なので全く問題ナッシング。
なんなら透明の道糸を使って通しで針を結べばさらにシンプルになります。針は手持ちの針で一番大きいチヌスペシャル5号を結びました。
そしてこの釣り一番の特徴的な作業である牡蠣の殻割りです。
牡蠣を足で踏んで固定して貝柱の部分をハンマーの尖った方で叩いて殻を割るのですが、これがなかなか難しいです。
身を潰してしまって汁が飛び散って服が汚れるし最悪(;´д`)
この日の釣行を終えた後の長靴はこんな感じでした。この釣りに長靴は必須ですね。
ぶち氏の動画を見ているといとも簡単に殻を外しておられたのですが、これはある程度練習が必要ですね。
殻の割り方は色々と種類がありましたが、まずはオーソドックスな丸いほうの殻を残すフルオープンタイプで割って針を付けました。
針はこのワタの部分にチョン掛けをするのがポイントで、魚は必ずこのワタの部分から食ってくるのだとか。
それでは緊張の第1投目。まずは足元に牡蠣を投入します。
ぽちゃん↓
Orz
なんと身切れして牡蠣だけが水中に消えて行ったではあ~りませんか(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
牡蠣の身ってこんなにも脆いんですね!
ってゆうか、見た目からして脆いので大丈夫かな?って思ってたんですけど、やっぱりダメでしたね(;´д`)
ここでこの釣りにタイコリールが不向きでスピニングリールが良い理由になるのですが、このポイントは水面まで高さが5mくらいあるので仕掛けを投入する必要があり、バカ糸を多く出しておかないと仕掛けが水面に届くまでにテンションが掛かってしまいます。
この僅かなテンションで身切れするくらい牡蠣の身は脆いです。
ぶち氏動画で身切れを嫌って固い貝柱に針を掛けるのはご法度とのことだったので、なんとかバカ糸を出しながら仕掛けを投入します。
「牡蠣だけポチャン」を繰り返しながらもタマに仕掛けを着水させることに成功しました。
ところが、着水した瞬間にワラワラと群がるスズメダイに一瞬にして餌を取られてしまいます。
際はスズメダイが湧いているので遠投して回避しようとするも身切れして牡蠣だけポーンと飛んで行きます。
試しに貝柱に針を掛けて仕掛けを投入するとこの通り。綺麗に針だけを残して身を食べられてしまいます。
ガツンときてそのまま張り付かれますた(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ pic.twitter.com/foTp3BKY48
— 野々宮@くろこう.net (@kurodaikoshien) November 30, 2019
この後、運良く着底させたところでガツンというアタリとともに根に入られてしまいました。
コブダイっぽい感じですが5分ほどテンションを抜いて待ってみるもビクともしません。
仕方が無いので仕掛けを切って回収することにしました。
久しぶりの(恐らく)コブダイのアタリ。
去年、姫路の飾磨沖で掛けたこの動画のコブダイのアタリを思い出しました。
ここに恐らくコブダイが居るであろうことが分かったので
ぜってー釣っちゃるけーの!
と張り切って仕掛けを投入するも
スーパーバックラッシュ発生(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
強風時にバカ糸を出すとこうなってしまいがちなんですよね~。
「自称落とし込み師」としての矜持でタイコリールでコブダイを釣りたかったのですがここで断念。
車にハイパーフォースを取りに戻りました。
いや~、快適ですね~♪
ベールを起こして牡蠣を投げるだけで飛んで行くんですから。
マジで(;´д`)
いや、当たり前のことなんですけどこれがタイコリールだと「牡蠣だけポチャン」になってしまいますねん。
これで牡蠣の身切れは激減しましたが餌取りだけはどう頑張っても回避できません。
となりのフカセ師も餌取りの対処に困っているようで、外向きの面を諦めて内向きに場所を変えておられました。
結局14時過ぎまで粘るもスズメダイの猛攻を回避できず、牡蠣が少なくなってきたところで納竿としました。
終了(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
明日リベンジや(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ pic.twitter.com/ukEcwNfeWH— 野々宮@くろこう.net (@kurodaikoshien) November 30, 2019
まとめ
見よう見まねでやってみて、恐らくコブダイであろう魚のアタリを出すことに成功しました。
これはぶち氏が動画で細かなテクニックを公開して下さっているおかげですね。
やはり事前に自分で釣行しておいて良かったです。牡蠣の付け方やら仕掛けを回収するタイミング、撒き餌の仕方等、疑問点を洗い出しておくことが出来ましたから。
翌日はいよいよ憧れのぶち氏とのしまなみ海道への釣行です!
本日の使用タックルはこちら
- 竿:サクラ 別調櫻伊勢6号 1.8m
- リール:シマノ 13 BB-X ハイパーフォース C3000DXG
- 道糸:バリバス バーマックス磯 ゼロフカセ 3号
- ハリス:東レ トヨフロン Lハード 3号
- 針:がまかつ チヌスペシャル 5号
- 餌:牡蠣
かぶせ釣りにおすすめの竿
一番のおすすめは唯一のかぶせ釣り専用竿、宇崎日新のクロニクル カブセ遠投 鬼彩!
ぶち氏が開発に携わられてます♪
お値打ち価格で嬉しいですね!
入門用にはこの辺りの筏竿が安くてオススメです♪
ダイワ製のこちらも良さげ♪